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シャーリーズ

DVDにて映画「あの日、欲望の大地で」を鑑賞。
「バベル」「21グラム」の脚本家ギジェルモ・アリアガの初監督作品。
脚本に惚れ込んだシャーリーズ・セロンが制作、主演をつとめる。

彼らしい時間軸をバラバラにした展開、大きな3つのストーリーが交互に進んでいく。
荒み果て心に闇を持った主人公のレストランのマネージャーを演じるのがシャーリーズ・セロン。
何処を見ているのかわからない濁った虚ろな目。
ほんとこの人、こういったボロボロの人の役が上手い。
十数キロ増量して普段の綺麗な外見を封印してレズビアンの殺人鬼を演じ
アカデミー主演女優賞を受賞した「モンスター」での仕草も鬼気迫るものがあった。
なんでこういった役柄ばかり選ぶのだろうと調べてみたら
彼女は幼少の頃、アルコール依存症の父親の暴力に悩まさせていたらしく
彼女が15歳の頃、酔って帰ってきた父親に暴力をふるわれ
娘の命の危険を感じた母親が発砲し父親を射殺してしまうという事件に見舞われたそうだ。
(のちに正当防衛とみとめられたらしい)
こういった経緯も役柄を選ぶ要因のひとつになっているのかもしれない。

物語は偶然に振り回された哀しい人々の人生絡み合いで、
決してスカっとはしないが、徐々に繋がって行くストーリーに引き込まれ
最後のかすかな希望に(実際は希望などないのかもしれないが)胸をグっとさせられた。
興味のある方は検索してみてください。良い映画でした。
共演のキム・ベイシンガーの悲哀に満ちた主婦役も素晴らしかったです。
(キム・ベイシンガーももう56歳なのか。。。)


さてそのシャーリーズ・セロンも妻役で出演していて
先日見に行った「ザ・ロード」という映画(この時のセロンも諦めきった凄い目の演技をしていた)
その原作本をようやく読了。
コーマック・マッカーシー作、ピューリツァ賞を受賞し百七十万部以上のセールスをしたというこの作品。
ほとんど映画と差のない内容で、淡々とした雰囲気もそのまま。
あの映画はほんとうに原作を尊重したものだったのだな、と納得する。
映画を観る前に読んだのなら、もっと醒めきった印象を受けたかもしれない。
コーエン兄弟が「ノー・カントリー(フォー・オールドメン)」として映画化した
「血と暴力の国」も彼の著書。
ビリー・ボブ・ソーントン主演の「すべての美しい馬」もそう。
開拓時代のアメリカを舞台に14歳で家出しインディアン討伐隊に加わった少年の物語
「ブラッド・メリディアン」も映画化が決まったそうだ。
とんでもない残虐描写で人間の本質に迫ると言う噂の今作、
これは図書館で借りて来たので近く読むつもり。

今日は涼しく気持ちがいい晩。
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by joenakamura | 2010-08-09 23:11 | 映画 | Comments(0)