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ツィゴイネルワイゼン

生業から夕方家に戻り、近隣に引越しの挨拶。
8年余り住んだこの界隈、近所の方とは挨拶ぐらいしかしなかったのだけど、皆、「寂しくなるわねぇ」等優しい言葉をかけてくれて胸がキュンとなる。いい人達ばかりだ。

我が家はあと数日で引越しと言うのに相変わらず仕舞われていないモノで溢れている。
引越し前日になって泣きながらダンボール箱にガラクタを投げ込む図がマブタに浮かぶ。
ああ、いやだ、いやだ。

そんな最中、仕事の合間にDVDで映画「ツィゴイネルワイゼン」を観る。
1980年の鈴木清順監督のアシッド映画。
遥か昔に観た覚えがあったのだが、改めて観てみて「こりゃ凄いな」と感嘆する。
意味を越えたカットの数々。意味不明のまさに夢のような映画。原田芳雄氏もカッコイイが藤田敏八氏がすこぶる素敵。話の内容なんてどうでもいい。ただただ幽玄な世界に身を委ねる為のフィルム。

中学生くらいの頃に読んだ高橋葉介氏の漫画「夢幻紳士」の中で花火のシーンが描かれていて、高橋氏が何かのインタビューで(単行本巻末のあとがきだったか?)「ツィゴイネルワイゼンの中で花火の絵の無い花火のシーンがあったので、音の無い(漫画だから当たり前だけれど)花火のシーンを描きたかった」という話をしていて、それがずうっと心の中に残っていてた。
改めてそのシーンを観ると、なんだか嬉しい気分になった。

雰囲気、ムードが軟体生物のように心に残る、何とも言えない愛憎映画であります。
きっとリンチも観てるんだろうなぁ。


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by joenakamura | 2012-10-04 01:45 | 映画 | Comments(0)