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ディレイ小説

長い期間かかっていたSF小説をようやく読了した。
物語自体は自分的には期待していたほどでは無かったのだけれど、主人公の膨大なモノローグがストーリーに厚みを与えていて実に好感が持てた。一見本筋と関係の無いディティールや情報の積み重ねは、ギターのパワーコード一発の鳴りのようにシンプルな物語の倍音を増幅させるのである。(そうやって溜まったエネルギーは時にファズトーンにも変わる。)
しかしこの小説映像化されるそうだが、こういった「倍音」をどうやって目に見えるようにするか心配だ。


少し前に読んだ筒井康隆氏の「ダンシング・ヴァニティ」という小説は、同じ場面が少しずつ形を変えながら繰り返されていくと言う異色作であったが、さながらそれはディレイで繰り返されるマニュエル・ゲッチングのミニマルなフレーズのようでドラッグのようでもあった。辛抱強く、またバロウズを愛読するような方にお勧めしたい。

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by joenakamura | 2016-02-24 12:44 | 考え中 | Comments(0)