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「都会のハッピーズ」夜話01

今年の11月25日でハッピーズのアルバム「都会のハッピーズ」リリースから20年経つそうだ。
ついこの間の事のようだ、、、とまでは言わないまでもまさか20年も経ったとは信じがたい。その年に産まれた子供が成人になるほど時間が経っていると思うと、すっかりこれも年代モノのレコードになってしまったのだなぁと感慨深くなる。

せっかくなのでこのアルバム制作当時がどうだったかちょっと思い返してみたが、さすがに20年、所々もうモヤがかかったかのように記憶が曖昧だ。この先どんどんと記憶は逃げていく一方なのでちょっと備忘録として何か記してみようと思う。あくまで僕の主観なので、ニュアンスが違っても関係者の人あしからず。



95年頃のザ・ハッピーズは、93年頃から新宿ジャムではじめた自主イベント「エレクトリック・パブ」を中心としながら和モノシーンでライブを続けていたのだけれど、当初の所謂「GS(ガレージソウル)」を中心とした音楽性からグラム、歌謡、70年代ロック等の影響を受けて徐々に変化をしはじめていた時期だった。

その時期は94年からはじまったザ・ヘアのさとうさんと北沢夏音さん、フミヤマウチ君を中心とした渋谷のインクでのイベント「自由に歩いて愛して」のおかげで和モノシーンがより色々な音楽とクロスオーバーしてグングンと熱量が上がり続けている真っ最中。
常に共演してたザ・ヘアがよりディープに真摯に和モノを追求していく中で、僕らは先述の通り、幾多の音楽性が混じりあい独自の活路を見出そうとバタバタしていた頃だったように思う。

僕個人といえば彼女の影響で「はっぴいえんど」をはじめとした日本のフォークロックに傾倒するようになり何となくワカから教わった幾つかのギターコードでようやく曲を作るようになっていた。(それまでハッピーズの曲はギターのワカに頼りきっていた。)
次第に僕の作ったそういう曲をバンドで合わせるようになるんだけれど、ライブではフォーク歌謡なオリジナルをやりつつもストーンズやキャンドヒートのカバー、ワカ作のグラム歌謡もやるという何とも変わった状態だった。でもハッピーズはそういう無茶苦茶なのが良かったと思ってる。

当時作った自作曲(ワカも一部制作)「夜が明けたら」


ワカ作のグラム歌謡ロック「エレクトリック・カウボーイ」



そんな95年、巷でサニーデイサービスというバンドが昔っぽくていいらしい、とい噂を耳にするようになる。雑誌でみた「若者たち」のジャケは確かに70年感バリバリで早速聞いてみると70年代的でありながらも今まで自分が居たシーンとは明らかに違う瑞々しい音で興味をひかれた。(後から思えばそれはネオアコ的な部分だったと思う)

すると「自由に歩いて愛して」にサニーデイが出演するという。僕らは共演だったのか遊びにいったのか忘れてしまったけれど、その時に初めて曽我部君に出会い、飲んで意気投合してトントン拍子に「じゃあミディで録音をしようよ」という運びになったのだった。これがその後の「都会のハッピーズ」。




by joenakamura | 2016-11-02 12:57 | 「都会のハッピーズ」夜話